本学会について

会長あいさつ

ご挨拶

日本社会科教育学会
会長 井田仁康

小学校では2020年、中学校では2021年から完全実施される学習指導要領が2017年3月に告示され、2022年から実施される高等学校の学習指導要領も2018年3月に告示されました。この学習指導要領では、思考力と密接にかかわる「見方・考え方」が重視され、社会科では「社会的な見方・考え方」というくくりで、小学校から高等学校(地理歴史科・公民科)までの連続的な学びとして提示されました。学習指導要領の「内容」には、中項目ごとに「知識」だけでなく、身に付けるべき「思考力・判断力・表現力等」が示され、思考力を重視する、換言すれば「見方・考え方」を重視することを明瞭に示した学習指導要領となりました。

こうした学習指導要領の改訂は、社会科(地理歴史科・公民科を含む)に関しては、社会科教育の研究の積み重ねが反映したものです。社会科教育学は、日々の実践に貢献するだけでなく、こうした国家の方針にも影響を与えるものとなります。しかし、その根源は、地域、日本(国)、世界といった社会建設の担い手である民主的人間の形成をめざし、いかに意義ある教育ができるかの追究にあります。そのめざすべき教育について議論し、理論を構築し、実践を重ねていくことが社会科教育学であり、本学会の役割であります。

社会科教育学会の活動の柱として、次の4点を考えています。第1に会員が学会に何を求めているのかを鑑みながらの理論を背景とした実践研究の充実です。そのためには、学会誌、研究大会をさらに充実させ、研究成果を発信し、より多くの社会科関係者に会員となっていただき、社会科に関する議論をより活発にさせていく必要があります。第2に、学会としての国際対応があげられます。グルーバル化する世界において、従来からも個人ベースでの研究交流が行われていましたが、学会レベルでの国際交流の在り方を考える時にきていると感じています。第3には、学習指導要領への学会としての対応です。新学習指導要領への理解を深め、よりよい授業改善への道を拓いていくことはむろんのこと、10年先、20年先の学習指導要領をリードできるような研究を発信していくことが、本学会の重要な役目だと思っております。そして、第4に、社会科教育にかかわる大学教育、教職教育の改善です。教職大学院でのカリキュラムをはじめ、教員養成にかかわる大学教育に関して、望ましい社会科教員の在り方を提言していくのも、本学会の役割と思っています。

上記の活動に取り組むことで、「よき市民性」を育成する新しい社会科の理論と実践の創造について、会員相互の自由で活発な議論を保証する場を提供したいと願っております。これまでにも変わらぬ会員の皆様のご協力と積極的な参加をお願いするとともに、新しい仲間の入会を歓迎いたします。

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